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銀鉱山で栄えたコロニアルシティ メキシコ・タスコの旅
古き良きヨーロッパの面影が残る
メキシコの美しきコロニアルシティへ
メキシコと聞くと、エスニックなイメージが強いが、首都・メキシコシティ周辺の「中央高原エリア」は古きヨーロッパの面影の残る美しい街が点在し、エスニックというよりロマンチックな雰囲気。ヒゲ親父がテキーラを飲んでいるコテコテのイメージ(?)とは少々異なる、メキシコのもう一つの顔を垣間見ることができる。そんな中央高原エリアにはグアナフアト、プエブラ、サカテカスなど個性豊かなコロニアルシティが数多くあり、タスコもその中のひとつだ。
まるでアンダルシアの白い村
今も残る銀で栄えた時代の街並み
タスコは、スペインのアンダルシアのような白壁の家々が連なる小さな街。かつてスペインの植民地だった時代に銀鉱脈が発見され、銀で富を成した人々が美しい街並みを作り上げた。その後銀鉱山は閉鎖されたため、経済発展から取り残されてしまい、近代的な建物が建てられることもなく、当時の姿を保っている。そんな街の雰囲気にピッタリはまっているのが、白いビートルのタクシー。何せタクシーなので街中でしばしば見かけるが、家の前に停車しているだけで、古い映画のワンシーンのようだ。
バロック様式の突然変異
壮麗な「ウルトラバロック」は必見
メキシコ中央高原の魅力はヨーロッパ風の街並みだけではない。もうひとつの見どころが「ウルトラバロック」だ。スペイン人がもたらしたのは住宅建築だけでなく、宣教師たちはカトリックの教えもこの地に広めた。街には多くの教会が作られるが、銀鉱山の富が瀟洒な街並みを生み出したように、教会建設にも同じく巨万の富が費やされる。当時のヨーロッパの教会では華麗な装飾を施したバロック様式が流行しており、メキシコでも同様にバロック様式の教会が建築された。しかし、ただのバロックではなく、その富を誇示するかのように、ヨーロッパ以上に装飾は華美になり、豪華さを競い合った結果、バロックの装飾をはるかに越えた、というよりかなり装飾過剰な「ウルトラバロック」が誕生することになった。タスコの教会でもウルトラバロックを目にすることができるが、特に祭壇の装飾が尋常ではなく、みっしりと様々な彫刻が詰め込まれた壁面は、もはや華麗というよりはグロテスクな感じさえする。
メキシコ独特のセンスがキモカワイイ?
死者の日の不気味な仮面
タスコのお土産物屋さんで写真のような不気味な仮面がたくさん売られている。これは死者の日というメキシコのお祭りで使う仮面だが、悪魔のような顔の仮面や、人のような顔をした動物の仮面など、いずれも絶妙に違和感のあるものばかりで、日本人の感覚からするとかなり気持ち悪い。しかし、この気持ち悪さが何とも言えず好ましく、筆者は勢いで二つも購入してしまい、自宅で置き場所がなくて困っている。
タスコまではメキシコシティのバスターミナルから長距離バスで約三時間。大きな街ではないので、朝メキシコシティを出て、日帰り観光でも十分に見て回ることができるだろう。メキシコ中央高原にはこのような美しい街がいくつもあるので、メキシコシティを起点にして、日帰りでいくつか回って見るのもいいだろう。